ハッカーズ その侵入の手口 奴らは常識の斜め上を行く

1章から5章が無料で公開(正確にはお勧めコンテスト用に公開)されてたのを見つけたので読んでみた。
途中までPDFで読んだんだけど、面白かったので本を買ってしまった。

ハッカーズ その侵入の手口 奴らは常識の斜め上を行く

ハッカーズ その侵入の手口 奴らは常識の斜め上を行く

インプレス - 発売前先行公開(PDF版)+この話題書を「あなたのブログでオススメしてみませんか」コンテスト


著者は元ハッカーケビン・ミトニックという人。とても有名な人らしいけどこの本を読むまでは知らなかった。
内容は1章ごとに1人もしくは1グループのハッカー達によるハッキングの過程を細かく紹介している。
単純なネットワークを介した侵入だけじゃなくて、カジノのポーカーゲーム機のハッキングなど、いろんな分野が舞台になってる。


この本をシステム管理をやってる人が見たら、ぞっとすると思う。彼らに狙われたらどんな対策してもどこかにあいてる穴を探し出されて攻撃されてしまう。
システムからの侵入が無理だったとしてもソーシャルエンジニアリング(オペレータや関係者に直接コンタクトしてパスワードなどを奪う)やゴミから何かしらの情報を見つけ出されて攻撃されてしまう。
こんなことされたら、ほんとどんな対策してても意味がないんじゃないかと思ってしまう。


どの章を読んでも思うのは、ここに出てくる人物はどれもメチャクチャ頭が切れるという事。知識もそうだけど発想力もすごい。ただ、倫理観や精神的な成熟度が足りないために犯罪者となってしまっている。頭が良い人でクラックする技術の知識が豊富でも犯罪をしない人がたくさんいるであろうということを考えると、やはり彼らは精神的な未熟さ(中には少年もいるけど)があるんだろうな。


しかし、アメリカでは技術的に高度なハッキングによる犯罪者が何人もいるのに対し、日本ではほとんど聞かない。犯罪がないのは良いことなんだけど、逆にいうと日本には高い技術を持った人の絶対数が少ないという事も表してるんじゃないだろうか?
この本を読んで、日本のIT技術(この言葉は意味が不明であまり好きじゃないけど)の底の浅さを感じて少し不安になった。

三番町リコメン堂 - ひとつ上のハッカーが語る欺術(ぎじゅつ)
購入サイト:http://direct.ips.co.jp/hackers/