安土城

前から行きたかった安土城だけど、司馬遼太郎の本「街道をゆく〈24〉近江・奈良散歩 (朝日文庫)」に触発されて行ってきた。
この本では安土城については少ししか記述されてないが、さすがにその内容は秀逸でそれに惹かれた。

最高所の天守台趾にまでのぼりつめると、予想しなかったことに、目の前いっぱいに湖がひろがっていた。安土城は、ひろい野のきわまったところにあるため、大手門趾からの感じでは、この山の裏が湖であることなどは、あらかじめ想像していなかった。
〜(略)〜
が、天守台趾に立つと見わたすかぎり赤っぽい陸地になっていて、湖などどこにもなかった。

街道をゆく〈24〉近江・奈良散歩 (朝日文庫) (P144,145)

現在の天守台趾から見えるのは、残念ながら大中の湖が埋め立てられた後の姿しか見れない。でもまだ大中の湖があった頃の景色を想像するのも楽しみの一つだ。


安土駅に着いたのは少し遅めの3時頃。駅前の観光案内所で安土の地図をもらい安土城を目指す。20分ほど歩いて安土城大手門前に着いた。
大手門からは階段がまっすぐに伸びている。階段は昔のままなのか1段の高さがかなりあり、勾配もきついので結構疲れる。途中には武将の旧邸宅跡がずっと並んでいた。変に手が入れられていない分、当時の姿がしのばれて良かった。
20分ほど山を上ると天守台跡に着いた。天守台跡は意外と小さいように思えたが、案内板を見ると立っていた場所は地階部分で、天守閣の土台となっているのはその2倍程度あると言うことだった。


天守台の石垣の上に上ると、かつて司馬遼太郎が見た風景が広がっていた。司馬さんは失望してたけど、そんなに悪い景色ではなかった。10分ほどそこにいた後、搦め手に通じる道や三の丸へ通じる道を確かめ山を降りた。
途中、縈見寺本堂後や三重の塔をみて安土城を後にした。ぐるっと廻るのに大体1時間くらい。勾配がきついので帰りの電車では疲れて熟睡してしまった。


安土城は遺構しか残ってないが、当時の雰囲気をよく残していてなかなか良い城跡だった。

街道をゆく〈24〉近江・奈良散歩 (朝日文庫)

街道をゆく〈24〉近江・奈良散歩 (朝日文庫)