Ruby1.9

日経Linux3月号の「プログラミングのオキテ 第34回」に Matz による Ruby 1.9 の紹介記事が載っている。前半は Ruby の歴史で後半が Ruby 1.9 の新機能や改良点についての概要を説明している。
ruby-dev などを読んでるとなんとなくは分かるんだけど、この記事でポイントについて詳しく書いてあるのでよく分かった。


Ruby 1.9 での大きな変更点として以下の3点があげてあった。


YARV は、ささださんが開発した未踏ソフトウェアにも採用された Ruby の処理系。バイトコードコンパイルすることにより 1.8 までの処理系よりも実行コストが低くなっている。この YARVRuby の処理系に採用された。


次のM17N は多言語化対応。1.8 まではバイト単位での処理だったのが、String にエンコーディングの属性を持つようになり、文字単位での処理となった。また、マジックコメントが追加された。スクリプトエンコーディングを指定するにはマジックコメントを指定する。

 1: #!/usr/bin/ruby
 2: # coding: utf-8

マジックコメントは1行目もしくは2行目に指定する。Ruby 1.8 までの -K オプションは非推奨になった。


3つ目の鬼車は新しい正規表現ライブラリ。Ruby 1.8 までの正規表現と比べると多言語に対応しさまざまな機能が追加されており強力された。


日経Linux の記事にあげられてたのは上の3つだけど、他にも gem が標準添付されたり、Fibe と言う軽量スレッドが追加されたなどさまざまな機能が追加されている。


あと、これまで(Ruby 1.8まで) は バージョンの 2桁目の奇数が開発版で、偶数が安定版だったのが Ruby 1.9 からは 3桁目が0が開発版で1以上が安定版になったということが書いてあった。
Ruby 1.9 が出たけど、安定版なのか開発版なのかよく分かってなかったけど、この記事でまだ開発版なんだというのが分かった。


「プログラミングのオキテ」はITPro に公開されてる。(ただし今回の記事が公開されるのはまだまだ先っぽい)
ITPro - まつもと直伝 プログラミングのオキテ---目次