映画・ダメジン

三木聡監督の初監督作品。でも、いろいろな事情で公開されたのは撮影から4年後だったというちょっと変わった経歴を持つ映画。

三木監督といえば、「亀は意外と速く泳ぐ」や「イン・ザ・プール」などで脱力系という新ジャンル(?)を作った監督。
その三木監督の初作品ということで、さすがに全編通してとてもゆるい。

その内容は見る人により評価は大きく割れると思うけど(実際、ネット上の講評を見ると、好き嫌いがきっちり分かれる)、私はとてもハマッた。
ストーリーのテーマとなってるインドと同じで、好きな人はすごくはまるだろうし、ダメな人は2度と見ないだろうなという感じ。

ストーリーは、毎日が夏休みのようなリョースケ・ヒラジ・カホルが、インドへ行って人類を救う救世主となるための旅費をためるというのが主題となっている。
でも、その主題はあまり重要じゃなく、主人公3人とそれを取り巻く強烈な個性の脇役が、三木監督により絶妙の組み合わせでうまく料理されているのを見るための映画だ。

伝説の男になる予定のゲシル先輩、寝るとき以外はいつも川にいる印旛さん、ヤクザだけどどこか愛嬌のあるササキ、猫を飼ってる猫ジジイなど、あげていけばキリがないくらい
個性的なキャラクターが出てくる。

ストーリーを細かく見ると「なぜ?」と思うところがたくさん出てくるが、あまりそういうところにこだわってはいけない。
そういうものだと割り切って、元祖脱力系の雰囲気を楽しむのがこの映画の醍醐味である。